今週は重要な経済指標が目白押しでありますが、注目の今月の日銀政策決定会合の「主な意見」が発表されました。それによると、来月以降は携帯電話料金の下落分1.5%程度がなくなることと、エネルギー価格の上昇に伴い目標とする2%の物価上昇が続く可能性があるとの認識が示されました。
国内景気の現状については「一部に弱めの動きも見られるが、基調としては持ち直している」として判断を引き下げ、物価上昇の持続性も「小売価格への転嫁は限定的で内需の回復は十分でない」、そのうえで「日本は米国、英国などとは異なり、賃金の上昇が伴って物価上昇が目標の2%を継続的に上回る状況ではない」とし、大規模な金融緩和を継続することが確認されました。
日銀の姿勢が再確認されたことで、海外との金利差拡大が再び気になるところですが、ここにもやや変化が出てきております。
米国製造業PMI「サプライヤー納期指数」が短縮化傾向にあり、自動車生産の底打ちなどサプライチェーンの改善傾向が見られ、中国発のコンテナ船運賃指数も上昇が一服してきております。
更に消費者物価に半年先行するNFIB(全米自営業者連盟)中小企業サーベイの「販売価格計画」は過去数か月下落基調に転じており、近い将来消費者物価指数がピークアウトすることを示唆しております。
また、このNFIB中小企業サーベイでは3カ月先の「人件費計画」では、こちらも既に下落基調であり、その先行性から賃金インフレが落ち着く兆候も出ております。前回の雇用統計でも復職する人が増えてきていることから、更に賃金上昇圧力の低下、労働コストのピークアウトの可能性も大きいと思われます。
日米金利差も緩和されて来る方向であり、急激な為替変動もなくなり株式市場も更に物色意欲は高まり、大量にある待機資金が入り易くなりその落としどころも多様化して来ると存じます。
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